2013/10/14

Compilations


先月、コンピを2枚作りました。音楽好きの方と交換する機会があったのです。“交換”はとてもいい。商品として売っているコンピでは味わえない、その人のカラーがダイレクトに出てくるから好きです。曲順で「こう来たか!」って思ったり、1曲1曲に対する思い入れも伝わってきたり。イベントでもらうコンピもいいけど、プライベートで交換するコンピはその人の温度とかクセみたいなものがパッケージや選曲から滲み出てくるから面白いです。

今回は2枚とも内容がシューゲイズです。貰ってくれる相手が知っているだろう曲も気にせず入れ、アートワークも意外に悩んでなんとか完成させました。自分がコンピを作る上で気をつけることは、内容の全体的な流れを意識すること、曲をあまり入れすぎないこと、なるべく偶数曲にすること、なるべく曲解説を書くこと、ラストは切なめの曲にすること、です。曲数は入れすぎると聴かなくなる恐れがあるから特に気をつけてます。曲解説は適当にダラダラ書いているつもりですが…、文章を書く事がやっぱり苦手なので、通勤電車の中でiPhoneのメモ帳で地道に書いています。解説の紙を見て、おそらく熱い気持ちは相手には伝わるだろうと…笑。せっかくあげるなら驚いて欲しいし。あと自分は曲の“リスト”を見るのが好きなんだと思います。ここでいうリストは内容のことではありません。あくまでリストにしたときの“見ため”のことです。曲目がしっかり規則正しく並んでいるのを眺めるのがとても好きなのです。

ジャケはinstagramで適当にアップしているものから、どういった写真がシューゲイズ的なのか?というところを考慮した上で、海の写真と鳥の写真をセレクト。解像度が低いので、どうしても2色刷りに頼ってしまうけど、2色刷りでもいいものができるように努力はしたつもりです。まぁこんなことやってるから時間ばかりかかってしまうのですが…。でも一応CDのアートワークの仕事もやっていた身としては、中途半端なものは作れません。なので、それなりのものが出来たと自負しております(笑)。

黄色い方はシューゲイズで海辺ってことで最初ブルーにしていたのだけど、なぜかあまりパッとせず、結果的に黄色の紙にオレンジの2色刷り。本当はライドの海ジャケみたいなイメージでいたのだけど、見事にSarahレーベルみたいな仕上がりになりました。まぁいいか…Sarahもシューゲ出してたから。タイトルは大好きなマイブラの曲から。シューゲはドリームポップとも言われているから、シンプルにDreamって言葉が入っているものにしたかった。で、最後に丸型のシールも貼付けてみたら輸入盤みたくなりました。

紫のほうはこちらも最初ブルーにしていたのだけど、なぜかあまりパっとせず、どうせ作るなら普段使わない色にしてみようと紫をチョイス。なんだか鳥さんが怪しい印象になって嬉しい。そして紫はいい。クールなようでいて、温度もある。普通とは違ったインパクトのある色で、闇も感じる。それこそシューゲイズに相応しい色だ!と勝手に盛り上がってようやく完成。タイトルは大好きなニューオーダーの曲から。シンプルにDreamって言葉が入っているものにしたかった。で、最後に丸型のシールも貼付けてみたらやっぱり輸入盤みたくなりました。ちなみにこういったプライベートコンピには「CDケース用のビニール袋」と「シール」を付けるとグッと商品価値を上げます。お弁当の見た目をアップさせるには「ミニトマトを入れるといい」と同じことです。

今回は2枚ともジュエルケースにしてみました。昨今の輸入盤は紙を2枚に折ったようなカードスリーヴや薄いデジパックが多く、なるべく省エネ傾向にあるようです。これは交換だし、CDとして存在感のあるものにしたかったから、あえて厚みのあるジュエルケースにしてみました。郵便受けを開けて手にもったときのずっしり感が欲しくて(笑)。


「コンピかぁ。Soundcloudでいいじゃん」
「俺、モノに執着しないから興味ない」

作っているとき、そんなセリフも頭の中をかすめますが、やっぱり味気ないよね。こうやってカタチにしてみると、曲に対する思いも一層強くなるものだと思います。レコードやCDにこだわる人たちの音楽に対する愛情が深いのと同じように…。


誰か僕と交換してください。

PAGE TOP