2013/07/28

Tree Fort Angst


Tree Fort Angst / Last Page in the Book of Love (Foxyboy Records)

ちょっと前に、テレビの深夜番組で好きなお笑い芸人が“鬼が島”というユニットのコントを見ていった一言。「鬼が島ってネタによって面白かったりそうでなかったり、ムラがあるんだよね。でも俺、そこが好き。」って。それを聞いて考えました。自分にとってムラがあるけどそこが好きなバンドって何だろうと。

いました。Tree Fort Angstという曲によってムラのあるバンドが。イギリスのSarahレーベルから出していたSt.Christopherの中心人物、テリー・バンクスがやっていたジャングリーなギターポップバンド。St.Christopherは透明感〜焦燥感がある切ない曇り空ネオアコ。Tree Fort Angstはギターがガチャガチャ言ってる晴天ギターポップといった感じかな。以前このブログでも書いたGlo Wormでもギターを弾いている人物。多才なお方です。

これはシングルの編集盤…の再発盤で、30曲というフルボリュームでおそらくほぼ全ての音源網羅してるのかな。疾走している元気な曲も、アコギメインでしっとり進行していく曲も、まるでラフスケッチのような趣。そして曲によってはあまり…(笑)ってのもあります。ただでさえあまり音良くないのに、ライヴ音源とか聞く気にならないっていう。でもそこも含めて好きだと言えるのはやっぱり彼の声に尽きるのかも。本気ネオアコの声は苦手なのが多い中、彼の声はちょうどいい感じなんです。基本は甘酸っぱくて少し強さも感じさせる理想的な声。ロディ・フレイムまでいかない蒼さとでも言えばいいのかな。 

内容の方は1曲目の"Tuesday"から飛ばしてくれます。1週間のなかで1番パッとしない日は火曜日と歌った(と勝手に自分では思ってる)曲。テリー・バンクスがこの後に組んだバンド、Saturday Peopleにそのまま繋がる曲だと思います。というか、Saturday Peopleってバンド名自体パッとしないし、楽曲のムラもそのまま引き継がれております(笑)。アメリカのバス・ストップからリリースされていたシングル、"Tilting At Windmills"のキラキラとした風景。フックラインが印象的でなかなか熱く歌ってくれてます。"Parting Kiss"はアコギメインで一気に歌いきる、アズテックカメラに通じてる名曲。ドラムレスなのにノリノリで聞いてしまいます。 

60'sなファション写真を使ったこのジャケ、友達に見せたら「和田アキ子みたい」って言われました。それはいくらなんでも違うのではないかと…笑。しかし、Tree Fort Angstは楽曲のクウォリティにムラがあっても、シングル群のアートワークは全部いいんです。だから、結果、大好きなんです。

You Tube

PAGE TOP