2012/11/11

California Wives


California Wives / Art History (Vagrant)

免許の更新に行くとき、このアルバムを聴きながら大通りを自転車で走ったのだけど、本当に気持ちがよかった。天気がすごく良くて、空が高くて、気温も丁度よくて、適度に風もあって、まさに彼らの音にぴったりでした。

カリフォルニア・ワイヴスはシカゴのバントで、これがデビュー作だそうです。先月惜しくもクローズしてしまったfav(b)様のブログで知った、とても素敵なギターポップバンド。一聴してあまりにも綺麗で透明感のあるメロディとサウンドに打ちのめされて、アルバムのリリースを楽しみにしていました。特別なことはしていないけど、バンドサウンドを基本にしながらも、適度なエレクトロニクスのアレンジが新鮮で、二ュー・ウェイヴの影響がよく出ていると思いました。さらにシューゲイズやポストロック、エモ系バンドの要素も感じられて、そこがよくあるギターポップバンドとは一線を画すところだなぁと。

彼らが影響を受けたアートワークというテーマでインタビューが載っていました。そこにはヴォーカル君が選んだデヴィッド・ボウイ、ライド、ブライアンイーノ等、数々の名作のジャケットが並んでいて、それは彼らの音にも少なからず反映されていることが作品を聴いててよくわかりました。彼らのサウンドが色々な要素を感じさせるのはこういうことだったんだと納得したんです。 リアルタイムのバンドのルーツを辿るのは楽しいね。それがきっかけで聴いたことがないジャンルの音楽にも興味が持てたり、世界が広がったりする。ブライアンイーノなんていまだに開拓していないのだけど、シューゲイズにも多大な影響を与えたのだから、聞いてみようかなって。



彼等の音を聴いていて色んなバンドが頭の中に浮かんできました。先述したライドはもちろん、ペインズ、ブラザーカイト、ジミー・イート・ワールドやラスト・デイズ・オブ・エイプリル etc…。彼らは90年代の雰囲気を感じさせつつ、今のフィルターを通した、なんとなくシルキーで都会っぽいイメージ。そんなアルバム2曲目、"Tokyo"はそんな都会のことを歌っているのかな。遠いシカゴから見た東京はどう映るんだろう。キラキラしているように見えるのかな?実際は楽しさと虚しさが同居してるところで、この曲の切ないメロディがそれをより際立たせていると思います。「イベント、思ってたより人が入らなかったね」なんて反省しながら帰り道を歩く夜明けの東京…。Pet Shop Boysの"Home and Dry"みたいなイントロもなんてドラマティックなんだろう。3曲目の"Marrianne"はエレポップバンド、New Musikを思い出しました。アレンジといい、メロといい、影響されてるんじゃないかな?アートワークも並べてみると似ている!7曲目の"Purple"はこのアルバムの代表曲といえそうな、青春疾走ギターポップ。まさに大通りを自転車で風切って走っていくイメージ。9曲目の"23"はJimmy Eat Worldみたいなメロディでこれまた泣ける(ジミーにも23という曲がある。やっぱり影響受けてるのかな?)。この曲は後半に行くにつれてテンションが上がっていく展開で、沸々と勇気がわいてくる感じが好きです。これを電車の中で聴きながら出勤すると、けだるい月曜日もこの曲のおかげでしゃきっとなります。
とまぁこんな感じでアルバム通して泣きメロ全開!本当にいい曲が多いです。これ聴いていると外に出てきれいな景色が見たくなる。

タイトルのアートヒストリーという名の通り、アートワークも美術館のギャラリーを切り取った写真が印象的。このミニマルな感じも彼らのサウンドを象徴していますね。スリーヴの中には正にアートヒストリーが円状グラフで載っていて面白い。これを脳内でミュージックヒストリーに置き換えて見るのも楽しめていいかもしれない。


で、このジャケット、この空間に何か並べたくなりませんか?「君の中で思い浮かんだイメージを飾ってくれ!」って言われているように思うんです。それこそヒストリーなんだから時系列に彼らのルーツになったジャケットを並べてみるのはどうでしょう。ヴォーカル君が選んだDavid Bowye、Ride、Brian Enoはまぁ飾りましょう。僕はそこにNew Orderの"Republic"、Blue Boyの"Bank Of England"、Pet Shop Boysの"Release"、New Musikの"From AtoB"も飾りたいなって思いました。他の人は彼らの曲を聴いてどんなアルバムをここに飾りたくなるのかな?もちろん音楽じゃなくても、写真でも絵でもなんでもいいと思います。イメージすることって大事なことだし、このアルバムが「自分の作品」となって、かけがえのないものになっていくと思うので…。

さて、明日もこのアルバムを聴きながら出勤です。そしてもう2012年も終わりが近づいています。ラストを飾る"Light Year"を聴きながら、今年を振り返りつつ来年の目標も考えないとね。

Official Site Label Site Soundcloud

PAGE TOP