2013/12/22

Top 10 albums of 2013


Top 10 albums of 2013

今年よく聴いた作品を振り返ってみました。

10. Vampire Weekend / Modern Vampires of the City (XL Recordings)
今年のフジロックで彼らの出番を待っている間での会話。「自分:あ、ステージのバックが花柄だ。なんか今年よく花柄見るよね。友人:今年花柄きてんねん!」そうか、知らなかった。確かに今年は音楽でも花柄のアートワークをよく見かけました。いち早くそういうトレンドを取れ入れる彼らはやっぱりオシャレだと思いました。そう、彼等のジャケットのアートワークはいつも素晴らしい。特にブックレットのデザインがいつも素敵なのです。Matt de Jongによるデザインは、黒を基調にしつつも赤を差し色で加えたり、手書きの要素もキュートでセンス抜群。音に関しては確かに黒さは薄まったけど、純粋なポップ・アルバムとしては素直に良いアルバムだと思いました。

Official Site | ♪ Listen to "Step" (Music Video)


9. Funeral Advantage / Demo
一聴してWild NothingとかCatwalkみたいだなと思って、すぐにお気に入りなった作品。デモだし、声もあんまり聴こえないけど、この蒼さがたまらない。知っている人だけがそっと大事に持っておきたい愛すべきバンド。大通りには行かず、ついつい寂しい路地裏に向かってしまう感じにも似ている。最近Catenineとのスプリットシングルを出したけど、それもけっこう良い。秋の少し肌寒い時期にハマる音で、電車の中でも流れる景色を見ながらよく聴いてました。2曲目の"No Wind"は大好きなCat's Miaowっぽさもあるね。ラストがキュアーの"2late"のカバーなんだけど、ほとんどオリジナルに聴こえて気がつかなかった…。湖面に静かに広がる波紋のような、じわじわ来るシューゲイズ。フルアルバムも是非作って欲しいです。

♪ Bandcamp


8. Phoenix / Bankrupt! (Glassnote)
ハレーションを起こすようなシンセが耳を劈く、ポジティヴさに溢れてるフェニックスのアルバム。テンションを上げたい時はいつも聴いてました。ちょっとやりすぎなくらいの過剰なアレンジが、地味な曲ばかり聴いてる自分にとっては逆に新鮮だったな。個人的には3rd以降はどの曲もリフで強引にまとめあげる印象が強くなっていって、正直少し距離を置いてる時期もありました(笑)。でもこのアルバムは華々しいアレンジと共に、今まで以上にポップでカラフルな楽曲ばかりが入ってる。前作に収録されているLove Like A Sunset Part IIを進化させたような9曲目のBourgeoisには心から感動…。そう、こういう曲が聴きたかったんだよ、僕は…。

Official Site♪ Listen to "Bourgeois(Music Video)"


7. The Changes / American Master (Tokyo Co.)
プリファブ・スプラウトを思わせるトレンディなサウンドで、今でも輝きを放っている1stアルバムから数年が経ち、まさかの復活で2ndアルバムがリリースされて感激!あそこまでの躍動感は無いにせよ、今年リリースされたレコードの中でも楽曲の良さはトップレベル。1stはイギリスへの憧れが全面に出ていたけど、この2ndはタイトル通りアメリカがテーマになっていると思う。My SpaceのトップフレンドにChicagoがあるだけにやっぱ影響受けてるよね。全体的にちょっとフォーキーで、肩の力が抜けてリラックスした雰囲気も良いし、80’sというより70'sっぽいレトロな音の響きも素晴らしい。良い曲が多いけど、ラストのAOR風なメロウナンバー、Never Blueがすごく好きでした。

♪ Listen to "American Master" Full Album Streaming


6. Jesu / Everyday I Get Closer To The Light From Which I Came (Avalanche)
イェスーは灰色のような日常と感情にしっくりくる音楽だと思う。何か今の気分に合う音楽を聴きたい。でも明るくてキラキラしたものは聴けない。そんな時にハマるのが彼の音楽でした。絶望でも希望でもなく、寄り添うのでもなく、だからといって突き放すわけでもなく、いい距離感で自分の耳に入り込んできました。柔らかな轟音は少し温もりも感じさせてくれて、安心感もある。ジャスティン・ブロードリックという人はメタルバンドをやっていたのに、どうしてこんなにも叙情的な曲が書けるんだろう。そして友人に言われた「や、メタルってメロディアスやで!」という言葉で納得。だからといってメタルを聴こうとは全く思わないけど(笑)。暗くもなく明るくもなく、曖昧でグレーが似合う美しいアルバム。

♪ Bandcamp


5. Boats & Trains / Blooming
なぜか無性に聴きたくなるバンドでした。最初はちょっと地味かな?なんて思ってたけど、全体的に漂うメランコリックさや、抑制の効いたサウンドがだんだん独特に思えてきて、クセになってしまいました。それなりに元気な曲もあるけれど、決して明るくならず、基本的にはモノトーンで憂いを帯びてる曲が多かった。特に3曲目のBloomingは身体中に染み渡る水のように、しっとりとした質感のネオアコで愛聴してました。というか全部いいんです、実は…。気がつくといつも傍らにいたのは彼らだったのではないかと思う。サイレントでジェントリーなアルバム。

♪ Bandcamp


4. Nothing / Downward Years To Come
実際にリリースされたのは2012年だけど、あまり流通してなさそうだし今年になってからやっと聴いたので気にせずランキングに加えました。仄暗い、渦巻くフィードバックギターにとけ込む甘いウィスパー・ヴォーカルは正にシューゲイズ。畳み掛けるようなドラミングと轟音が押し寄せてくるオープニングから、疾走感のある2曲目のDownward Years To Comeのへ流れには思わず息を呑みました。というか シューゲイズ・バンド、Daysleepersにメロがそっくりでたまらない。後半のミディアムナンバーもクウォリティが高く、あくまでもメロディが中心になっているので最後まで聴けます。全5曲ながらアルバム級の充実感がありました。

♪ Bandcamp


3. Proctors / Everlasting Light (Shelflife)
ギターポップは自分にとってカイロプラクティックみたいな存在なのかもしれない。ギターポップのおかげで歪んだ心をいつも矯正してもらってるような気になります。じゃあこういう音楽に出会ってなかったらどんだけ捻くれた人間になってたんだろうと思うと少し怖い(笑)。彼らは苦しいことも悲しいことも乗り越えてきたからこそ見える、本物のキラキラ感を知っていると思う。だからこのアルバムはきっと何年経っても新鮮な気持ちで聞けるはず。それくらい不変的で素晴らしい曲ばかりがたくさん詰まってるし、お花のジャケットもすごく素敵でとても気に入ってる。真っ直ぐでいることはとても強いことだと思う。Proctors先生の治療、かなり効きました。

Labal Site♪ Listern to "Into the Sun"


2. Brother Kite / Model Rocket (Clairecords)
個人的には本当に待望だった、アメリカのシューゲイズバンドのニューアルバム。シューゲというよりほとんどパワーポップなサウンドになってるけど、相変わらずいい曲を書くし、シューゲにしては歌心がある魅力的なヴォーカルも健在。前作が自分と向き合う孤独感がテーマだったのに対して、今作は活き活きとした幸福感に溢れてる。1〜3曲目までの疾走感のある流れは圧巻で、1曲目のSecretsなんて歌い方がすごくはっちゃけててビックリ。雪が溶けて春がやっと来たことを心から喜んでいるような元気いっぱいの曲。3曲目のSmall Sparksの泣きメロ感は彼らの楽曲の中でも上位にランクインする名曲だと思ってます。Death Cab For Cutie、Nada Surf、Teenage Fanclub、Pernice Brothersのように、いつまでも"良い歌"を届けてくれそうな、そんなバンドになったと思いました。…でも心のどこかでやっぱり轟音を求めているけどね。

Official Site | ♪ Bandcamp


1. Silver Screen / When You and I Were Very Young (Plastina Records)
メロディというものはもう出尽くしているのかもしれない。でも彼の音楽を聴いて、まだまだそんなことはない!と思えたこと、こんなにも心を豊かにしてくれるメロディがこの時代に存在してくれていることが、僕にはとても嬉しかった。春の始まりを告げるオープニングから、足取りが軽くなって外に出掛けたくなるようなno really wonder、このアルバムの代表曲とも言える切ない名曲のmercy、cloudberry recordsからリリースされていたパッパラコーラスが印象的なa little more eachday収録も嬉しい。そして切ないというより悲しいメロディでアルバムの終わりを告げるFrom Window to the indifiniteまで一切捨て曲なし。この1年で一番聴いたのは間違いなくこのアルバム!文句無しの名盤でした。

♪ Bandcamp


けっこう迷ってなんとか10作品に絞りました。やっぱりSilver Screenはダントツだったなぁ。彼もBrother Kiteと同じClairecords所属だったから、老舗のシューゲレーベルのアーティストが作品をリリースしてくれたのは、やっぱり感慨深い。そして2組とも今やほぼシューゲでもないというのがなんとも…(笑)。

当ブログは今年もなんとか続ける事ができました。あんまり更新できてないけど、どうやら読んでくれている人がいるようです。でたらめな事も書いているかもしれないし、意味不明な事も書いているかもしれませんが、どうかお許しを…。これからもひっそり佇む静かなブログとして地味に更新していければと思います。

来年も素敵な作品に出会えますように!

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