2012/07/29

Airiel


Airiel / Kid Games (Shelflife)

毎日毎日やる気を削ぐような蒸し暑さ…。そんな今日はアメリカのシューゲイズ・バンド、アリエルの12インチシングルを聴いて体感温度を少しでも下げて過ごしたい。

5年前に出た1stフルアルバム(もう5年前…)はロック的なアプローチでバンドの魅力が存分に発揮されていたけど、今回は初期のエレクトロ〜ポストロック的なアプローチに戻った感じ。水の中に漂っているような清涼感で、聴いててとっても気持ちが良い。気持ち良すぎてずっと音の中に漂っていたい。これはもしかしてアリエル版チルウェイヴ?なんて言葉も思い浮かぶほど。

 4曲とも疾走感はないけど、アリエル特有のブルーで切ないメロディ、繊細なヴォーカルは健在。統一感があって何度でも聴きたくなるね。特にラストの"Daydreamer"は泣ける。これは大好きなシルヴァースクリーンを彷彿とさせるメロディでギターポップ好きにはたまらない。 ほんと、このバンドを色で例えたらベタだけどブルーだと思う。いや、ブルーというよりシアンかな?数あるシューゲバンドでシアンが似合うバンドと言ったらアリエルが真っ先に思い浮かぶ。今まで出してきた作品のアートワークもそのほとんどにシアンが使われている。シアン=アリエルと言ってもいいくらい。

今回は老舗インディレーベル、シェルフライフからの12インチ(+ダウンロード)でアートワークもさすがのかっこよさ。シェルフライフの作品ではおなじみのMathew Edwardsさんがデザインやってます。Bart&FriendsやBurning Hearts、Garlandsなんかのデザインもやってるんですねぇ。レトロな写真使いがセンス抜群。そしてやっぱりこのアリエルでもシアンが使われている。レコードの色も初回盤はシアンだったそうで、是非そっちをゲットしたかったけど、ホワイトも爽やかで十分オシャレです。 正直5年も待たせておいて4曲は少なすぎると思ったけど、きっとアルバムを作っているはずなので辛抱強く待ちたい。そしてアルバムが完成したら是非ROOKIE A GOGOにリヴェンジして欲しい。当時どれだけ彼らに投票したことか…(笑)。出てくれたら苗場にでもどこにでも行っちゃうよ!

そして今、冷凍庫からアイスノンを出してきました。これもまた、シアン。

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2012/07/01

Evening Lights


Evening Lights / The Disappointment (Shelflife)

シェルフライフのオーナー、エドとローラが在籍していたバンド、イヴニング・ライツのアルバム。彼らは02年から04年まで活動し、EP(素敵なジャケット!)を出してアルバムが待たれる中、2005年に惜しくも解散してしまいました…。アルバム自体はすでに完成していたとのことなので、ファンとしては7年も待つことになったわけです。

そんな長い時間を埋めるかのように、アルバムには全16曲という盛りだくさんのヴォリュームが詰め込まれてる。今作はスタジオレコーディング、デモ、ライヴ音源なんかが収録された、言わばアンソロジー的な内容。音質にバラつきがあるけど、各楽曲の良さはレベル高し。これら全てがスタジオレコーディングだったら、かなりの名盤になっていたのでは?というか、当初は全てスタジオで録るはずだったのでは…?そうと思うと本当に解散が悔やまれます。EPではローラが歌っている曲もあったけど、アルバムではもう一人の女性ヴォーカルが全て歌っていて、これがまたよかったりする。可愛すぎない、クールすぎない、スウェディッシュなイメージで好感度大。

大好きなサンデイズも、カーディガンズも、ラッシュもアイヴィーも彷彿させつつ、この清涼感漂うシューゲイズ・サウンドは昔彼らがやっていたバンド、Autocollantsを進化させたような趣も感じさせます。Autocollantsは朝靄のイメージだったけど、イヴニング・ライツはその名の通り、昼〜夜の少し切ないイメージ。

しかし良い曲が多くて大変!1曲目はこのアルバムの代表曲とも言えるような名曲で、タイトで力強いドラム、風通しの良いメロディ、タフで大人っぽい女性ヴォーカルが爽やかに駆け抜けます。2曲目なんて今のPains of being pure at HeartとかSad Days for Puppetsにも通じる疾走ギターポップで度肝抜かれます。意外にこういった元気な曲が多いのもこのアルバムの特徴といえるんじゃないかな。6〜9曲目の展開なんてアルバム中最高のピークとも言えるし、11曲目はArrogantsやBrittle Starsを感じさせる泣きメロ炸裂な1曲で涙腺を刺激されます。合間に入るインストもけっこう飽きずに聴かせてくれて、余韻に浸れます。

基本はデジタルリリースのアナウンスだったと思うけど、限定でCDRを出してくれたのが嬉しい。これがバンド側によるハンドメイドのシルクスクリーンで素敵なのです。中にはペーパーが入ってるし、ジャケは丸玉がたくさん並んでて正にイヴニング・ライツなデザイン。EPのジャケも思えば丸玉のフレアが美しいアートワークだった。キラキラと反射する光のフレア、それを表す音楽はイヴニング・ライツだったのです。

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